新高値ブレイク投資、決済84トレードの成績を全公開 — 勝率65%より大事だった数字の話

トレード成績レポートの棒グラフのうち赤い負けトレードを虫眼鏡で拡大しているフラットデザインのイラスト 投資

投資ブログには「儲かった話」はあふれていますが、トレード全件の集計を出す記事は多くありません。この記事では、私がこれまでに決済した84トレードの成績を、証券会社の約定履歴から集計した数字のまま公開します。先にお断りしておくと、これは過去の結果の記録であり、この成績が今後も続く保証はどこにもありません。それでも公開するのは、数字で振り返る習慣そのものが手法を守ってくれると実感しているからです。

全成績サマリー(決済済み84トレード・手数料込み)

  • 取引回数: 84回(勝ち55 / 負け26 / 引き分け3)
  • 勝率: 65.5%
  • 総損益: +283万円
  • 平均利益: +6.4万円 / 平均損失: -2.6万円
  • リスクリワード(平均損益比): 2.42
  • プロフィットファクター: 5.1(総利益が総損失の約5倍)
  • 1トレードあたり期待値: +3.4万円
  • 最大利益: +80.5万円 / 最大損失: -13.6万円
  • 平均保有日数: 29日

集計は楽天証券の約定履歴CSVをもとに、Excelで自動計算しています。恣意的に「良いトレードだけ」を選ぶ余地がない集計方法にしているのがポイントです。

いちばん大事な数字は勝率ではなくリスクリワード

私が実践している新高値ブレイク投資は、もともと「1勝4敗でも利益が残る」損益設計の手法です。教科書にした本でも、勝率の低さを1回あたりの利益の大きさでカバーする前提で書かれています。

結果的に私の勝率は65%と想定より高く出ていますが、この数字は地合いに恵まれた側面があり、あてにしていません。私が毎週見ているのはリスクリワードの2.42という方です。平均の勝ちが平均の負けの2.4倍ある限り、勝率が50%を割り込んでも収支はプラスに残る。相場が悪化して勝率が落ちたときの保険が、この比率に入っています。

エンジニアの言葉で言えば、勝率は環境依存の出力で、リスクリワードは自分で設計できる仕様です。損切りラインを守れば負けの大きさには上限がかかり、伸びる銘柄を規律どおり持ち続ければ勝ちの平均は伸びる。どちらも自分の行動だけで決まります。

負けの中身を見る — 損切りルールは機能したか

集計していちばん安心したのは、最大損失が-13.6万円で止まっていたことです。平均利益(+6.4万円)の約2倍で収まっており、「一発の負けで数ヶ月分の利益が飛ぶ」事故が起きていません。ブレイク起点割れ・直近安値割れで機械的に降りるルールが、そのまま数字に表れています。

このルールを注文の形にどう落としているかは損切りを逆指値で「仕組み」にする方法にまとめています。

一方で、成績には明確な凹みもありました。2025年の10月と11月に4連敗しています。個別の銘柄選定を見直しても大きな欠陥は見つからず、いま有力視しているのは「地合いが崩れかけている時期に、それまでのペースで新規エントリーを続けた」という仮説です。現在は毎朝、指数と為替の状態を固定フォーマットで確認してからエントリー判断をする運用に変えて、この仮説を検証しています。

記録して見つかった、成績表より痛い欠点

今回、全トレードを見直して痛感したことがあります。手法を始めた直後の3ヶ月間は、銘柄ごとに「なぜ入ったか」「何を反省したか」を別のシートに書き残していました。読み返すと「ブレイクから日数が経った銘柄に焦って入った」「寄り付きを見ずに成行で入って高値掴みした」など、今でも効く教訓ばかりです。

ところが、その記録は3ヶ月で途絶えていました。残りの約70トレードは損益の数字しか残っておらず、しかも損益の集計表と根拠メモが別ファイルに分かれていて、突き合わせもできない状態でした。勝ちトレードの再現条件も、負けの共通原因も、途中から記憶頼みだったということです。テストで言えば、実行ログはあるのにテスト観点表が途中で放棄されていた状態。数字の集計はどれだけ自動化しても、根拠の1行だけは人間が書くしかありません。いまは週次の振り返りで「今週決済した分だけ、根拠と教訓を1行ずつ書く」という最低限のルールにして続けています。

この記録と監視をどこまで機械に任せ、どこから自分の手で確認するかという線引きはClaude Codeの承認を5本の線に絞った設計に整理しました。

まとめ — 数字を出せる状態にしておくこと自体が武器

  • 勝率65.5%・リスクリワード2.42・総損益+283万円。ただし将来を保証する数字ではない
  • 見るべきは勝率よりリスクリワード。負けの上限を設計できていれば、勝率の変動に耐えられる
  • 連敗期の原因分析は記録がないとできない。損益の自動集計に加えて、根拠と教訓の1行を残す

成績の公開は勇気が要りますが、「いつでも全件を集計して出せる」状態にしておくと、自分に都合のいい記憶で手法を歪める余地がなくなります。これが記録の一番の効用だと思っています。

この反省をもとに始めたのが、毎月同じ物差しで測る新高値ブレイク定点観測シリーズです。


この記録と監視、人力でやるのはやめました
84トレードの検証で分かったのは「記録も監視も人力では続かない」ということ。いまは毎朝AIエージェントに損切りラインを監視させています。仕組みの全記録はnoteで公開しています。
→ 損切りできない僕が、AIエージェントに損切りラインを監視させてみた(note・無料)

本記事は筆者個人の投資手法の記録であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。記載の成績は過去の結果であり、将来の成果を保証するものではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。

コメント

タイトルとURLをコピーしました